小学校英語 先行導入校では効果、指導体制など課題も

by i Sayama事務局
0 comments

「Who is he?」

外国語指導助手(ALT)が、人気アニメのキャラクターをカードで質問すると次々と児童の手が挙がります。

「He is ドラえもん!」

 

埼玉県狭山市立南小4年の英語の授業の一コマ。正解すると教室内に笑顔と歓声が広がります。市川進校長は「長く英語をやっているので全く抵抗感がないですね」と話します。

「低学年から英語を始める方向性は間違っていないと思う」と同市教委の担当者は賛同します。狭山市は国の教育特区(現、教育課程特例校)制度を利用して2004年度から市内全15小学校で1年生から英語を導入しています。

1、2年生は月1コマ、3年生以上は週1コマ。指導体制も手厚く、日本人の英語活動支援員(AT)を24人、ALTを10人採用して現場に配置しています。市教委の意識調査では12年度、小学生で英語が「好き」「楽しい」はいずれも全学年平均で約9割。中学2年対象の県の学力テストでも英語の成績は常に県平均を上回っています。

 

政府の教育再生実行会議は28日の提言で、小学校英語の強化策を打ち出しました。現在5、6年生で始めている英語の授業を「教科」にすることや4年生以下から開始することを求めています。独自に低学年から導入している自治体では効果を上げている例もありますが、教員免許を設けたり成績をつけたりする「教科」にした場合は、指導体制や学力格差の課題も指摘されています。

 

明海大(千葉県)外国語学部の大津由紀雄教授は「早くから英語に触れていれば、話せるという考えは幻想。逆に英語嫌いが増える可能性もある」と指摘します。

指導体制も課題が残ります。教科になれば教員には英語を教える免許が必要。公立小は全国で約2万1000校あり、公立中の2倍、公立高の5倍になります。「中学高校の英語教育も充実していない状況で、よい教員をそろえられるのか。外国語教育は言葉に対する感覚と思考力のついた中学生から始めるべきだ」と大津教授は主張しています。

 

ニュースURL>>

http://mainichi.jp/select/news/20130529k0000m040079000c.html