現在の患者数、検査数、対策病床数などを情報を1カ所に
自治体や医療機関からの一次情報を1カ所にまとめ、現在のウイルス感染状況や感染病床数などのリアルタイムな把握は医療現場はもちろんの事、行政、そして市民にも非常に重要です。
これらをまとめて、リアルタイムな情報提供を行おうという試みが「COVID-19 JAPAN:新型コロナウイルス対策ダッシュボード」です。
このサイトは現在広がりを見せている「シビックテック(詳細は後述)」と呼ばれる行政と市民エンジニアの連携により支えられているもので、厚生労働省が公開しているデータを中心とし、よりリアルタイムに近づけるよう一次データの提供も受けながら行われています。多くの自治体・医療機関から情報提供を受けて、地域のエンジニアや多くのボランティアにより運営されています。
埼玉県内の最新動向もデータ化
この新型コロナウイルス感染症対策は、地域版にも波及しています。このオープンソースを活用して東京都は情報提供を行い、東京都公式として対策サイトの運用を行っています。(東京都新型コロナウイルス感染症対策サイト)
埼玉県版の新型コロナウイルス感染症対策サイトについてはCode for TODAがサイトをオープンさせ、埼玉県内の感染状況をまとめ、県からの正確な情報拡散の補助、リアルタイムな情報把握による現場の円滑な運営と市民への意識付けに役立てています。
埼玉県COVID19「埼玉県内の祭新幹線動向」
https://saitama.stopcovid19.jp/
データ解析を民主化、オープンデータとシビックテック
ウィキペディアなどは、インターネットにアクセスする多くの人たちが作り上げている百科事典ですが、これらのベースになるシステムや中の情報はオープンソースやオープンデータ、コンテンツとしては一般の人が自由に書き込んだ情報で成り立っています。誰かが確証の無い書き込みをすると、数十分から数時間の間に世界中に居るボランティアらによって情報が修正されていきます。
ウィキペディアのようなオープンな場所に、行政や医療機関から直接データを集めて、そのサイトやプログラム、データなどのアップデートを市民エンジニアの力によって支えられているのが今回の取り組みです。地域で起こることは最も身近な事であるため、地域の問題や社会課題などはその地域に居る人たちがテクノロジーを活用して解決していこうというのが”シビックテック”です東京都は行政として参加しているということになります。
これらが円滑に行われるためにも、未だ紙やPDFファイルなどで配布されるデータを、元のデータのままコンピュータがそのまま読み込める形でオープンデータ化していく事が課題になっています。今回のサイトでは、その情報収集にすぐに使えるように、だれでも書き込めるGoogle スプレットシートなどを活用して情報提供を求めたりもしています。
昨今、情報は非常に重要なものになっていて、発表されるデータにより人間の心理は大きく揺さぶられます。近年データの改ざんや統計データの虚偽などが問題になっているため、オンラインでオープンになったデータを多くの市民エンジニアなどが解析を行うことで、情報の健全性を保とうとういう動きが進んでいます。
総務省はデータを利用した取り組みを進めるためにオープンデータについてのガイドラインも公開を始めています。
自宅待機が広まる中、情報への関心はより一層高まっています。正しい情報がいち早く手元に届ける仕組みづくりが民間の取り組みによって進んでいます。