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ヤングケアラーとは何か?
日本全国で最近取り上げられるようになってきたヤングケアラーは、18歳未満の子どものうち、病気や障害、高齢などの理由で、家族の介護や世話を日常的に担っている子どものことです。今では全国的見て、クラスに1~2人がヤングケアラーであるとされていて、自分の時間が持てずに、友人関係や学校生活、進路や就職などに支障をきたすなど本人の人生に大きな影響を及ぼしています。
狭山市のヤングケアラーの実態
狭山市では令和5年1月に実態調査報告書が作成され、令和4年7月~9月の調査で、市内の公立小学校4~6年生と中学校の生徒、市内県立高校に在籍する生徒に調査が行われました。
小学生2,648人のアンケート回答で、世話をしている家族が「いる」と答えた生徒が2.9%、無回答が3.4%でした。中学生2,580人が回答したアンケートでは、3.5%が家庭で世話をしている家族がいると答えました。
ヤングケアラーが生まれる原因
ヤングケアラーが生まれてしまう原因は多岐にわたります。
- 家族内の病気や障害: 家族メンバーが重い病気や障害を抱えている場合、子どもが介護の責任を負うことがあります。
- 高齢化社会: 親や祖父母の高齢化に伴い、若年層が介護責任を担うことが増えています。
- 経済的困難: 家庭の経済的な困難により、専門の介護サービスを利用できない場合があります。
- 社会的支援の不足: 地域や政府からの十分な支援が得られない場合、家族内での介護が必要となることがあります。
- 文化的・社会的な期待: 特定の文化や社会では、家族の世話を子どもがすることが期待される場合があります。
- 一人親家庭や家族構成の変化: 一人親家庭や祖父母との同居など、家族構成の変化が介護責任の原因になることがあります。
- 複雑な社会制度と情報不足: 社会制度が多岐にわたり複雑に用意されているため、支援されるべき人にその情報や支援が届かなかったり、届いても手続きが煩雑。
- 地域社会からの孤立: 家族が地域社会や親族との繋がりを持たないことで、子どもが家族の世話を担うことになることがあります。
問題点
- 教育と成長への影響: ヤングケアラーは学業や社会的活動に参加する機会が制限されます。これにより、学業成績の低下や社会的スキルの未発達が起こりえます。
- 精神的・肉体的健康: 長時間の介護負担は、ストレスやうつ病などの精神的な問題、疲労や睡眠不足などの肉体的な問題を引き起こします。
- 社会的孤立: ヤングケアラーは同年代の友人との交流が少なく、社会から孤立しやすい状況にあります。
解決に向けた取り組み
- 教育機関におけるサポート: 学校がヤングケアラーの課題を理解し、柔軟な学習計画や心理的サポートを提供することが重要です。
- 地域コミュニティの支援: 地域コミュニティがヤングケアラーに気づき、支援するための仕組みを整備する必要があります。
- 政府とNPOの連携: 政府と非営利組織が協力し、ヤングケアラーに対する教育プログラムやカウンセリングサービスを提供します。
社会が取り組むべきこと
- 認識の向上: ヤングケアラーの存在と彼らが直面する課題に対する社会全体の認識を高める必要があります。
- 総合的な支援策の実施: 政府、教育機関、医療機関、地域社会が連携し、ヤングケアラーを支援する総合的なプログラムを実施することが求められます。
- 法律・政策の整備: ヤングケアラーを支援するための法律や政策を整備し、実行に移すことが重要です。
ヤングケアラー問題は、最近始まったことではなく、昔からこのような状況はありました。家の手伝いで学業に専念できなかったという話は、数多くあります。今までは家庭環境の違いと片付けられてきた部分でしたが、社会全体が解決に取り組むべき課題となってきたようです。それは、ヤングケアラーの問題が一家庭の問題にとどまらないという事がわかってきたからです。
教育、健康、福祉の各分野が協力し、ヤングケアラーを支援することで、彼らの健やかな成長を促し、より強固な社会を構築することができます。