月面からのデータをアマチュア無線の電波で受信!
2024年1月20日0時20分、宇宙航空研究開発機構(JAXA)は月探査機「SLIM」を月面に着陸させることに成功しました。SLIMが着陸する寸前には、小型月探査機「LEV-1」と「LEV-2」を放出し、着陸の様子を撮影する計画になっていました。
LEV-2は日本の玩具メーカー「タカラトミー」が中心となり、JAXAや大学、企業らと共同開発した「SORA-Q」で、もし月面で走行し、写真を地球に送ることができれば、民間企業では日本で初めて月探査を行った探査機という事になります。
この地球にデータを送る際に利用された電波がアマチュア無線の極超短波帯で、和歌山大学が受信を確認したと発表していました。データの解析には数日かかるとされていたため、JAXAは1月25日に改めて会見を開き、SORA-Qが撮影した探査機の映像を公開しました。
SORA-Q実物サイズは2023年9月に発売され、スマートフォンで遠隔操作ができ、カメラ映像を見ながら、目視できない場所の探査ができるようになっていて、動画や写真撮影も可能になっています。
宇宙との通信に使われるアマチュア無線の電波
このように宇宙との交信を行う際には、比較的周波数の高い、超短波や極超短波が良く使われます。今回のSORA-Qも極超短波帯のアマチュア無線の周波数帯が利用されました。大学などが打ち上げる小型の人工衛星などの管制などにもアマチュア無線の電波は利用されます。
狭山市駅前で取得できるアマチュア無線の国家資格
アマチュア無線の電波を利用するためには国家資格の取得が必要です。この国家資格は最も簡単に取得できる国家資格の1つとも言え、電波や電気の基礎を知り、スマートフォン時代に、スマホを持つ前に持っておきたい資格の1つとして、小中学生から取得する人が増えています。
このアマチュア無線の国家資格は2か月に1回、狭山市駅西口の産業労働センターで開催されていて、次回の開催は2月17日、18日の2日間となっています。
合格率98%、狭山市での最年少は小学校1年生
狭山市駅西口駅前で開催されている講習会は、2日間の講習を受け、最終日に修了試験を受けて合格すれば国家資格を取得できます。狭山市で免許取得までが全て完結します。この講習会での合格率は高く、98%となっていて、最年少は小学校1年生です。小中学生の受講者数は年々増加傾向にあります。
【直近の講習会開催情報】
- 第四級アマチュア無線技士: 2024年2月17日(土)、18日(日) 2日間受講
- 第三級アマチュア無線技士: 2024年3月24日(日) 1日受講
※ただし、三級を受講する場合は四級の資格が必要です。
災害時の通信網としても期待されているアマチュア無線
地震や水害、雪害など自然災害の多い我が国日本では、災害時のインフラが正常に機能するかが懸念されており、大規模な震災が起こるたびに、被災者から出る言葉に「水と電波が欲しい」という言葉があります。
電波とは情報の事を指しているわけですが、平時では利用できている携帯電話ネットワークは、災害時に基地局が被災すると利用できなくなります。その時に、強力な電波を出せるアマチュア無線であれば、基地局を介さずに直接端末から端末へと通信できるため、災害時の通信網としての期待が寄せられています。
日常的な通信網として、テキストメッセージもよいですが、声のSNSとも言うべきアマチュア無線を活用し、宇宙を介した通信などを楽しみながら科学的な自己訓練を行いつつ、有事の際にも使えるアマチュア無線の免許を取得してはいかがでしょうか。
アマチュア無線免許取得
アマチュア無線免許取得に関することは、地元狭山市の中小企業が中心となって無線通信の普及活動を行っている「スタークラブ」へお問い合わせください。
【スタークラブお問い合わせ】
- TEL:050-5534-1335(平日9時~18時)
- 公式サイト:https://star.sayama.jp
関連リンク
- 2月アマチュア無線養成課程講習会詳細
- JAXA SLIMプロジェクト
- SORA-Q タカラトミー